インターネット上の文章だけで発声は学べない

合唱に取り組む人の多くは、もっと高い声が出したいとか、もっと大きな声が出したいと考えていると思います。
ですが、インターネットだけで発声の勉強をするのは難しい、というよりも、全く発声のレッスンを受けたことのない人が文章だけで発声を学ぶのは不可能です。

「口を開ける」という言葉一つだとしても、この5文字から得られる情報は非常に曖昧なものです。

例えば、筆者が示す「口」が『硬口蓋から軟口蓋にかけてのどちらかといえば口の奥の上の方』を指しているのに、読み手は「口」を『唇』と捉えてしまったとしたら。

筆者の「口」が示している部分と、読み手が受け取った「口」に差異があればそのアドバイスは効果を成しませんし、そもそもそのアドバイスが今の読み手に必要なものなのかもわかりません。

更に、奇跡的に両者の解釈が一致したとしても、それが本当に正しいアドバイスなのかどうかを読み手は判断することが出来ません。

発声の勉強は、良い声の出し方の癖を筋肉に覚えさせることです。
「今自分が取り組んでいる発声が正しいのだ」と自分に言い聞かせて身体に覚えこませる必要がありますが、独学ではその自信が持てません。
「いや、もうちょっとこうしたほうがいいかな」とか「昨日とちょっと感覚が違うけど、たしかこんな感じだよな」みたいなあやふやな状態では、身体に身につくまで繰り返すのは難しいです!

音量も音高も、発声の技術で向上するものですし、発声をよくするためには、やはり直接指導してもらうのが一番です。
なかなか先生に質問する勇気がなくて……と思わずに、発声でわからないことがあれば思い切って合唱の先生に聞いてみることをお勧めしたいです。
それで解決しないのであれば、他の先生・合唱団を探してみるのもまた一つの手段です。

もちろん、インターネット上でも勉強は可能です。
一番の勉強は、良い演奏をたくさん聞くことだと思います。
Youtubeを使えば、オペラだって合唱だって素晴らしくレベルの高いものを無料で聴くことが出来ますからね。

よく「私は自分が歌うのが楽しいんであって、人の演奏なんか興味ない!」という人がいますが、それはとても勿体ないことですよ。
良い演奏を聴いて良いイメージを持つのは非常に大切なことです。

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