音名は「ハニホヘトイロ」、階名は「ドレミファソラシ」でこれまで表記してきましたが、以降の解説から階名の表記を英語に変更します。
(動画内の解説は初めからほとんどの箇所が英語階名です)
理由は三つあります。
音名使用のドレミとはっきり区別するため
まず一つ目は、やはり現状「ドレミ」を音名として使用している人が多いから。
音名も「ドレミ」で階名も「ドレミ」では混乱の元になりかねません。
ですので、まずはきちんと区別するという意味を込めて「DoReMiFaSolLaTi」と記載します。
なおかつ、Tiは「シ」でなく「ティ」と発音します。これにも理由があります。よっぽどこだわりがあれば止めはしませんが、これも慣れておきましょう。
発音によって♯・♭が区別できるため
二つ目の理由は、英語の階名は♯や♭をきちんと使い分けることが出来るからです。
日本ではあまり一般的ではないですが、英語式の階名は♯や♭がついた音を区別しています。
例えば、Doに♯がついたらDi(ディ)、Reに♯がついたらRi(リ)という具合です。
Solに♯がつくとSi(シ)となりますので、やはりTiは”ティ”と発音しておく方が、後々便利になります。
下に一覧を作っておきます。
こうすることによって、発音の面からも臨時記号を正しく認識することに繋がります。
♯ | di(ディ) | ri(リ) | × | fi(フィ) | si(シ) | li(リ | × |
---|---|---|---|---|---|---|---|
階名 | do(ド) | re(レ) | mi(ミ) | fa(ファ) | sol(ソ) | la(ラ) | ti(ティ) |
♭ | × | ra(ラ) | ma(マ) | × | se(セ) | lo(ロ) | ta(タ) |
真ん中の段が、何もシャープやフラットのついていない状態。
上の段が、♯がついた時の名前。下の段が♭がついた時の名前になっています。
×が入っているところは、基本的には使わない部分になります。
例えば、do(ド)にシャープがついたら、di(ディ)と発音が変わります。
mi(ミ)にフラットがついたらma(マ)に変わります。
たかが半音、されど半音。楽譜上では大した違いに見えないかもしれませんが、実際に音を出したら半音の違いは全く違うものです。
素早く書くことができるため
そして最後の理由ですが、英語による階名は略記が可能です。
それぞれの階名の頭文字をとって、「drmfslt」と表記することが出来ます。
♯などがついた場合は「di」や「ri」のように省略出来ませんが、逆にいえば2文字の階名は臨時記号つき、とすぐに判断することもできます。
素早く書き込みが出来るのは非常に重宝します。
音名は、楽譜上の音符の位置と直結しているので、素早く楽譜を読むことに慣れるためにも、書き込みは少しずつ減らしていくように推奨されることが多いでしょう。
一方の階名は、単なる音の高さだけでは読むことが出来ない読み方です。
悪くいえば読みづらい。良くいえば「正しく読まざるを得ない」読み方です。
高度な読み方ですが、それによって得られる恩恵は計り知れません。
どんどん楽譜に書き込んでいきましょう。
-
- 第1章:楽譜と音の高さ
- 第2章:耳で「ドレミ」を聴く
- 第3章:「音名」と「階名」
- 第4章:リズムの表し方
- 第5章:音を書き取る「聴音」のススメ
- 第6章:音楽用語について
- 強弱に関する音楽用語
- 速度に関する音楽用語
- 繰り返しに関する音楽用語
コメント