高音部譜表と低音部譜表の読み方で扱った音は、鍵盤楽器の白い鍵盤にあたる部分の音でした。ですが、ピアノにはまだ「黒い鍵盤」があります。
この黒い部分を楽譜で示す時に使われるのが、シャープとフラットという記号です。
シャープ(♯)
これがシャープという記号です。
このように、つけたい音符の左側につけて使います。
シャープの場合は、ちょうどシャープ記号の真ん中の四角い部分が音符と同じ高さになるように書きます。
シャープは半音上げるという意味を持っています。
上の楽譜の例では「イ」の音にシャープがついています。
シャープは日本語では「嬰(えい)」と呼びます。つまりこの音は「嬰イ音」ということになります。
鍵盤楽器の位置関係で見ると、ひとつ右隣の音。これが「半音上がった音」になります。
フラット(♭)
シャープと対になるフラットは、半音下げるという効果を持っています。
シャープと同じく、つけたい音符の左側につけて使います。
記号の穴になっている部分が音符と同じ高さになるように書きます。
上の楽譜の例では「イ」の音にフラットがついています。フラットは日本語では「変(へん)」と呼びます。つまりこの音は「変イ音」ということになります。
鍵盤楽器でいえばこの位置になります。
実は「ホ」「ロ」にシャープがついた場合、あるいは「へ」「ハ」にフラットがついた場合は、黒鍵にはなりません。
鍵盤楽器を良くみてみるとわかりますが、「ホ」「ロ」の音の半音上の音は「へ」「ハ」の鍵盤になりますよね。
逆もまた然りです。
「ホ」「ロ」にシャープがつく楽譜もありますし、「へ」「ハ」にフラットがつく場合もあります。その場合、音名は「嬰ホ」「嬰ロ」「変へ」「変ハ」となります。ちょっと紛らわしいですね。これにはきちんと理由がありますが、それはまた別の機会に。
半音上げ下げするので、場合によっては違う音符が同じ鍵盤を指すこともあります。
この上の2つの音符は両方とも同じ音を指しています。
「ト」から見た半音上「嬰ト」と「イ」から見た半音下は「変イ」は鍵盤上では同じ音なんです。
自分で楽器を使って音を確認したい場合、シャープやフラットもちゃんと意味を理解しておかないと、正しい音を出すことができません。ぜひ覚えておきましょう。
練習問題です。
- 第1章:楽譜と音の高さ
- 第2章:耳で「ドレミ」を聴く
- 第3章:「音名」と「階名」
- 第4章:リズムの表し方
- 第5章:音を書き取る「聴音」のススメ
- 第6章:音楽用語について
- 強弱に関する音楽用語
- 速度に関する音楽用語
- 繰り返しに関する音楽用語
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