楽譜には音符以外に様々な指示が書き込まれています。
音楽用語の多くはイタリア語から来ています。
でも、ドイツ語で書かれることもフランス語で書かれることも、もちろん日本の作曲家の作品であれば日本語で書かれていることもあります。
外国語で書かれた音楽用語をすべて覚えるのは難しいですが、よく使われるものは覚えておきましょう。
まずは強弱に関する音楽用語です。
フォルテ(f)
おしゃれなfのマークみたいな記号です。
元々の言葉としては「力」とか「激しい」という意味を持っています。
音楽用語としては、「強く」と訳されます。
メゾフォルテ(mf)
あるいは、メッツォフォルテとも呼びます。日本ではメゾと言われるのが一般的ですが本来の発音はメッツォの方が近いです。
メゾというのは直訳で「半分の」という意味になります。
半分強く。転じて「やや強く」と訳されます。
フォルティッシモ(ff)
フォルテが二つで「とても強く」です。
ここでいう「とても」は、相対的にフォルテよりも強くしてください、という意味です。
fが重なれば重なるほどもっと強くなっていきます。
ピアノ(p)
一般的には「弱く」と訳されますが、
もともとの言葉の意味としては「平易に」「慎重に」「静かに」などの意味があります。
単に音を弱く、と思うと音楽のエネルギーが減ってしまうので、意思を持った小ささが欲しい指示です。
メゾピアノ(mp)
メゾフォルテの項でも説明した通り、メゾは「半分の」です。
なので、直訳っぽくすると「半分弱く」ということになります。
日本語では「やや弱く」が通例です。
ピアニッシモ(pp)
「とても弱く」と訳されます。
フォルテと同じく、これも相対的なものです。
こちらも同じく、pが重なれば重なるほど弱くするという指示になります。
基本的な強弱の指示はこの6種類くらいでしょうか。
「メゾ」のあたりが少しわかりづらいのですが、強弱の関係性は次の通りです。
pp < p < mp < mf < f < ff
「とても弱く」<「弱く」<「やや弱く」<「やや強く」<「強く」<「とても強く」
基本的な強弱指示なので、しっかり覚えましょう。
クレッシェンド(cresc.)
松の葉っぱに形が似ているので、日本ではよく「松葉」とも言われます。
(若い頃は「マツバ」という言葉が「松葉」に結びつかなくて、一体なんのことなんだろう、と思ってました。笑)
このように言葉として書かれていることもあります。
意味合いとしてはどちらも同じで、「だんだん大きく」という意味です。
もともとの言葉としては「成長する」みたいな意味を持っています。
言葉を省略しないで書くと「crescendo」となります。
省略した場合は「cresc.」となります。この時の一番最後のピリオドは「これは省略している言葉ですよー」という意味で付けなければならないので、「cresc」では不可です。
ディミヌエンド(dim.)
反対向きの松葉。
こちらは「だんだん小さく」という意味です。
ディミヌエンド以外に、デクレッシェンドと言われることもあります。
省略しない場合は「diminuendo」と表記されます。
デクレッシェンドの場合は「decrescendo」や「decresc.」と書かれます。
ディミヌエンド、デクレッシェンド、どちらであって基本的に意味合いは変わりません。
強弱に関する音楽記号は、この程度わかっていれば事足りるかと思います。
さて、練習問題をやってみましょう。
答えはこちらのページにあります。
⇒練習問題の答え
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- 第1章:楽譜と音の高さ
- 第2章:耳で「ドレミ」を聴く
- 第3章:「音名」と「階名」
- 第4章:リズムの表し方
- 第5章:音を書き取る「聴音」のススメ
- 第6章:音楽用語について
- 強弱に関する音楽用語
- 速度に関する音楽用語
- 繰り返しに関する音楽用語
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